ワルキューレ(2009)

ワルキューレ」、トム・クルーズケネス・ブラナービル・ナイほか出演、ブライアン・シンガー監督、アメリカ、ドイツ、2008

オペラじゃなくて、ブライアン・シンガーの映画のほうのワルキューレ。これは劇場でかかっていたときに行こうと思っていて行き損ねたので、スカパーに落ちてきてくれてよかった。

おはなしは、実話とほとんど変わるところがなく、よくできたドキュメンタリーみたいな感じ。シュタウフェンベルクがアフリカにいるときから話がはじまるので、実際の話を知らない人にとってはなんでシュタウフェンベルクヒトラーに反感を持つようになったのか、説明が足りないように思われるかもしれないが、この時には本人はとっくに反ヒトラーだったのでまあそのへんはよし。

飛行機や車両はCG加工だろうが、リアルな4号戦車やJu-52とかを見るとあらためて感動。昔の映画では絶対に期待できなかったところなので、ちょっとじーんときた。

ケネス・ブラナーがトレスコウ少将、ビル・ナイがオルブリヒト大将で、いずれも演技は決まっている。自分としてはフロム上級大将役のトム・ウィルキンソンが好演していると思う。肝心な時に役に立たないキャラがいい。トム・クルーズはちょっと若くないかとおもったが、実際にはシュタウフェンベルクは36歳で死んでいるので、実物の方がずっと若いのだ。実際に美男だったし、ぴったりの役だと思う。

計画は失敗、シュタウフェンベルクやオルブリヒトは銃殺、のこりの人々は人民裁判のあげくにピアノ線で絞首刑ということになるが、この辺も事実どおりに淡々と描いていて違和感はない。全体として緊張感を切らさないようにできていて、佳作。なにより、登場人物の軍人ぶりが板に付いているし、高級将校の軍装はみなぴたりと決まってる。クーデター側もヒトラー側もみなかっこいい。これは劇場で見た方がよかった。もったいないことをした。