完全復元 満漢全席 巻弐 乾隆帝 歓迎の宴

「完全復元 満漢全席」 「巻弐 乾隆帝 歓迎の宴」、NHKBSP、2011.6.23

NHKBSプレミアムで夜中に料理番組をやっていた。これはたしか昔見たような気がする(初放送は2002年だと言っていた)が、内容はおぼろげにしか覚えていなかった。

「巻弐」ということは当然第一回や第三回もあったのだろうが、今回放送したのは第二回だけ。乾隆帝の歓迎宴料理の再現だという。この乾隆帝のための料理が文献上一番古い満漢全席だという。

出演者は、アナウンサーで石澤典夫と久保純子(この時点ではまだNHKにいたのだ)、それから中尾彬余貴美子中尾彬はこういう番組ではウザイが、食通ということになっているのでしょうがない。ほかにはお茶の水大の先生、中国人の先生、中国人の歌手、中国人の料理研究家

ロケは本物の頤和園にある宮殿を使ってやっている。NHK、お金あったんだなあ。このメニューだと66品出たそうで、「満漢席」と言っている。しかしこの番組、最初の内はおいしそうな感じがしているのだが、終わりの方になるとだんだん見ているのがつらくなってくる。はじめのほうでは、スープ類が数種類、アワビ、フカヒレカニの煮込みなどなど、けっこういくらでも食べられそうな感じ。しかし終わりの方で点心が出てきた後で、北京ダック、鶏の丸焼き、ガチョウの丸焼きが来た。出演者はなんとなくうんざりしたような表情。

肉なら肉料理が固めて何品も一度に出てくるから、食べているとげんなりしそう。これを一度に食べるのはムリがあるんじゃないか?スープ類はともかく、かなり脂っこい肉料理(脂肪そのものを料理している品もある)が多く、味付けも濃い目の感じ。一口ずつで済ましても、これはきついわ。

以前は一生に一度は香港で満漢全席のツアーに参加したいと思っていたが、これを見るとそういう気はだんだん失せてきた。まあ、そういうものは二日か三日かけて食べるのでそんなに無理な構成にはなっていないのだろうが・・・。

ラクダのこぶとか、オランウータンの唇とか、豹、熊の掌、ハクビシンとか、手に入りにくそうな食材もけっこう出てくる。入手不可能なものは、フェイクで再現。豚の脳もあった。変わったものを食べたいという皇帝の趣味なのかもしれないが、おいしいのかというとどうかな。

西太后は出された料理のほとんどは見るだけではしもつけなかったということだが、そういう態度がけっこう正解だと思う。がつがつ食べていては命が縮むわ。