桃太郎侍(1976) 25話

桃太郎侍」(1976)、25話 「母子の夢を斬った鬼」

録画してはDVDに落とすだけでぜんぜん見ていない桃太郎侍。とはいえ、たまたま見てしまったのでメモメモ。

旗本屋敷を訪ねて美しい女、おふじ(藤浩子)が江戸に来ては桃太郎に道を尋ねる。旗本屋敷からは追い払われるが、後になって旗本本人に呼ばれて座敷にあげられる。この旗本が高橋長英。ところが、この女、その後に斬られてしまう。まさか高橋長英が斬ったのかと、半信半疑だったのだが、ほんとだった。というか、自分が地方の代官だったときに、女に子供を産ませておいて、邪魔だから斬りましたというとんでもない奴。高橋長英は、善人役が多かったから油断していたが、こういうこともあるのか。

残された子供の面倒は桃太郎が見ることになり、つばめを巻き込んで大騒ぎに。そのうち斬られた女の妹だというお久(沢田雅美)が後を追ってやってきて、それで真相がわかる。桃太郎とつばめは、高橋長英を呼び出して詰問すると、はいつくばって泣きながら詫びを言うばかり。桃太郎もつばめもお久もあまりの醜態に言葉もない。しかしこんなとんでもないことをしておいて、謝ったからといって許されるのか?

そう思っていたら、高橋長英が金をすべて献上したという勘定吟味役高城淳一)のところに、桃太郎が乗り込んでいく。そこでにやにや笑っている高橋長英が刀を振り回す。悪者はまとめて斬られてしまい、子供は沢田雅美が引き取っていっておしまい。

この話、ほかにも奉行所の同心役で田渕岩夫KBS京都「得ダネTV」の司会をずっとつとめていた人)が出ていたりして、なにげに知っている人が多かった。

この25話の時点では、後に固まった番組フォーマットがまだなく、「ひとーつ、人の世の生き血をすすり」の台詞も、般若の面も、かぶっている着物も何もない。悪者達の宴会に桃太郎がいきなり素顔で乗り込んでいくだけ。とはいえ、その時間の分、話は長いし、別に不満は何もない。この回の脚本は結束信二で、さすがに話がちゃんとまとまっている。

もうちょっと見たい桃太郎侍だが、1週間2話はきつい。これが中村梅之助「遠山の金さん捕物帳」だったら、かじりついても見るけどなあ。ひまなときがあったら、ぼちぼちと見ていきたい。