風の又三郎(1957)

風の又三郎」、 久保賢、石川竜二、松山省次、加藤嘉ほか出演、村山新治監督、東映、1957

1940年の日活版ではなくて、1957年の東映版のほうを見た。日活版も未見だけど。

こちらは教育映画として製作されたということで、時間も短く50分弱しかない。いちおう子どもたちは東北弁っぽい言葉を使っているのだが、かなり標準語に近い、聞き取りやすい台詞。それでも台詞が早くて、聞き取れない部分がある。ほんとの東北弁を話していたら、ぜんぜんわからないかもしれない。

ロケは全編、岩手で行われていて、山の中を子どもらが馬を追い回しているところは、こういうのが昔の東北という雰囲気はたしかに感じ取れる。先生役の加藤嘉、又三郎の父親役の宇佐見淳、村人役の左卜全が若い!加藤嘉が老人役でない演技をしているところはめったに見ないのでおどろいた。といってもこの映画の製作時点で44歳だから、特に若くはない。

又三郎の歌う歌「ドードドドドードドドードドー・・・ 甘いリンゴも吹き飛ばせ、すっぱいリンゴも吹き飛ばせ」の印象が強烈。子供の時に見ていればかなり記憶に残っただろう。脚本は清水信夫。音楽は木下忠司。さすがだわ。