親鸞展

親鸞展 生涯とゆかりの名宝」、京都市美術館

京都市美術館でやっている親鸞展。同時期に京都国立博物館では「法然展」をやっているので、両方行けば日本浄土教の歴史を概観できますよ、という企画なのだが、時間がなくて、「法然展」には行き損ねた。なんとか時間をつくって行ってみたいが・・・。

京都市美術館の展示としても、規模はそんなに大きくないが、内容はかなり充実。親鸞上人七百五十回忌、真宗教団連合四十周年ということになっているので、真宗各派が自分のところで持っている寺宝のいいものを持ち寄っているのである。

最初のコーナーは「親鸞聖人の教えと生涯」。親鸞の真筆、真筆で賛を入れているもの、御影、親鸞上人絵伝、法然上人絵伝などなどが目白押し。しかし、展示物一覧を見ると、かなりひんぱんに展示替えがあり、しかも貴重品ほど展示期間が短い。熱心な人であれば、5回くらいは通わないといけないだろう。「安城御影」が見られなくて残念。といっても「鏡御影」(正面から描いた御影)が見られただけよしとしなければいけない。

次のコーナーは「浄土真宗のひろがり」。ここは親鸞の主要な弟子の座像、各寺本尊、絵系図聖徳太子象といったもの。最後が「伝来の名宝と美術」で真宗各派(というか東西本願寺)が金に飽かせて集めまくった美術品。興正寺狩野探幽雲龍図」、竹内栖鳳東本願寺天井画の下絵なんかはおもしろかった。

美術の展覧会というよりは、親鸞浄土真宗の展覧会なので、客も門徒が多いようで、特に親鸞の真筆にはいちいち声を出して感激している人、多し。最後の物販コーナーにはそんなに大した物はおいていなかったが、ほとんどの人が書籍を熱心に手に取っていたので、ここでも門徒の熱心さに感心した。うすぼんやりと檀家をやっているだけの人とは違うわ。

しかしこうやって見ると、親鸞の御影、木像は、作品ごとにぜんぜん印象が違う。展示品の中では専修寺蔵「親鸞聖人坐像」(これのもとは「安城御影」)が一番印象に残るが、他の作品を見ると違ったイメージがわき、それが一番おもしろかったと思う。