イナズマンF 12話 23話

イナズマンF」12話 「幻影都市デスパーシティ」、23話 「さらはイナズマン ガイゼル最期の日」

イナズマンF、最初のあたりの話は「イナズマン」と大して変わってなかったが、その後の展開がどんどんおもしろくなっていった。これはいいドラマ。

12話「幻影都市デスパーシティ」は、渡と荒井がデスパーシティに潜入する話。デスパーの女幹部でサイボーグでありながら実はデスパーシティの解放のために戦う謎の女、村野ユキに久万里由香。真理アンヌに似た風貌の女優だなあと思ったら、実の妹だそうだ。

荒井はサイボーグの部品が損傷して交換しないと24時間しか生きられない。この設定とガイゼルの実験都市デスパーシティの不気味な感じが非常にきいている。村野ユキはデスパーシティの解放のために、渡と荒井を呼び込むが、仲間が秘密を漏らしていて仲間が捕まってしまう。計画を漏らしていたのは村野ユキの弟。村野ユキは裏切り者の弟を射殺し、自分の心臓部の部品を荒井に渡した後、デスパー幹部らを道連れに自爆を図る。

かなりハードボイルドな話で、子ども向けのドラマでよくこんなことができたなと驚く。この話、劇場版にもなっているのだ。

23話「さらばイナズマン ガイゼル最期の日」では、渡と荒井がついにデスパーシティの入り口の場所と、ガイゼルの日本破壊計画をつかむ。デスパーシティは新宿の高層ビル街をのぞむ場所。そこに現れる馬上の女カレン(鳥居恵子)。デスパーの娘だがまるっきり人間。しかしカレンと口をきこうとした人間はデスパーの親衛隊が即、射殺する。

ケガをしたカレンを助ける渡五郎。カレンは父の正体をぜんぜん知らなかった。カレンは、渡が自分を助けてくれた事実を父に突きつけて、父のいままでのウソをなじる。捕まったふりをしていた渡と荒井はすぐに逃げ出す。ガイゼルは、いよいよ人工太陽爆破計画を実行、デスパーシティもろとも日本を吹っ飛ばそうとする。

荒井はデスパーシティでついに探していた妻と娘を見つけるが、とにかく妻と娘を逃がして、ガイゼルの計画を阻止しようとする。爆破計画のスイッチを切ったのは、計画を立ち聞きしていたカレン。それを見つけたガイゼルは容赦なく娘を刺し殺す。そこにイナズマンが現れ、最後の対決。ガイゼルはかばっていた右目を刺し貫かれ、岩場に倒れて死ぬ。

荒井、助けられた荒井の妻子、イナズマンが皆で朝日を眺める場面で終わり。

このドラマ、70年代前半の暗いイメージが強く、雰囲気的にとても好き。子どもには受けなさそうな話だが。最後はハッピーエンドなのだが、なんとなく後味がよくないところもいいと思う。「イナズマン」よりずっとおもしろかった。これは拾いもの。