名神高速道路

名神高速道路」、落合朝彦演出、日映新社

こちらは1964年全通、完成後46年になった名神高速道路の建設記録映画。

用地買収のところから話が始まるので、田畑や家をつぶしていくところが最初の場面。建設が決まった後で引っ越してきて、亀の神様がどうのこうのと言って居座る人もいたらしく、「キチガイじみた」とナレーションで言っているところはご愛敬。ちなみにナレーターは川久保潔

この映画の見どころは、車がほとんど走っていない(おそらく完成後、開通式までのテスト期間)状態の名神高速を、車載カメラと空撮で小牧から西宮までひととおり映した映像。こういう状態の高速道路は撮影する機会がないし、がら空きの道路を空からカメラがなめていくところは気持ちいい。

後は地道に基礎工事をしていくところから建設工事をていねいに撮影。地盤の弱いところに盛り土をしたり高架を建てたりするのがどれくらい難工事だったかといった話がされ、機械と人がよってたかって道路を造っていくところがまめに映されている。先に開通した尼崎から栗東区間、特に山科や追分の2号線と併走している区間の工事の様子が長い間映っていて、ここに名神高速ができる前の風景がこういうものだったのかということがわかるのが感慨深い。

開通式の場面では、車が徹夜で列をつくって式を待っている。一番の車の人は記念品をもらっていてうれしそう。1960年代前半に走っていたいろんな車がたくさん映っているところも楽しい。音楽は団伊玖磨。昔の記録映画は観るところがたくさんある。