春風亭昇太・柳家花緑 ニッポン全国!ぶらり二人会

春風亭昇太柳家花緑 ニッポン全国!ぶらり二人会」、アステールプラザ大ホール、2011.1.30

昇太と花緑の二人会。演し物は、前座の人(昇也)の「転失気」、花緑の「蜘蛛駕籠」、休憩の後、正二郎の曲芸、最後に昇太の「花筏」。

どれもおもしろかったが、曲芸は、「五階茶碗」がとても見応えがあった。茶碗やら何やらを次々と積み重ねていって、細い棒で支えていくもの。見ていてかなりハラハラさせられるが、そこがいいのである。昇太師匠も、「落語だと、ああいう風にどーっと沸きませんからねー」と言っていた。また見たいなあ。

で、肝心の昇太「花筏」は、はじめて聞く噺だが、これがおもしろい。枕は、海老蔵ネタで、ばしばし笑いをとっていた。ついでに海老蔵のヨメが余っているならこちらにくれと言っていてまた笑わせる。機関銃みたいにしゃべりながら、いきなり噺に。提灯屋さんが、銚子に巡業に行く相撲興行で大関の身代わりに連れて行かれ、のみほうだい食べ放題でいい思いをしているが、いきなり地元の強い素人にガチの相撲を挑まれることになり大慌て、というおはなし。

いきなり本物の相撲に引っ張り出されて半泣きの提灯屋さんと、気負いこんだはいいが相手が大関でびびりっぱなしの素人のにらみあいが速いテンポで展開されて、聞いててわくわくする。最後は「張り手がいい」=提灯屋はさすが、というサゲ。客席はほぼ満員(大ホールで満員になるのは、わたしが行くような公演ではあんまりないのだ)で、大喝采

終わって緞帳がおりてきたところで、昇太師匠がいったん止め、もう背広に着替えていた花緑師匠をむりやり舞台に呼び出して、二人でお辞儀をしたところでやっと幕。客はまたまた大笑いしていた。こういう工夫もよく考えているなあと思う。3月には岩国で公演があるようなのだが、そちらは日にちの関係で行けないのがざんねん。東京か関西でまた聴けるといいな。