マジカルミステリー工場ツアー

ハイビジョン特集 マジカルミステリー工場ツアー」、NHK BShi、2011.1.9

この前の日曜日にNHKのBSハイビジョンでやっていたこの番組、去年の9月にNHK総合で放送していた「ワンダー×ワンダー」の再編集版らしいが、こちらは90分番組なので2倍の尺である。こっちを見られてラッキーだ。

いわゆる「工場萌え」の人たちによる工場見物ツアーから始めて、山口智充が石油コンビナートを見学するツアー、なぎら健壱が町工場を見学するツアー、

山口智充の石油コンビナートツアーは、ちゃんと神奈川臨海鉄道に乗せてもらっていた。まあタモリと違って、鉄ではないので、自分の蘊蓄を披露するまでのことはできてないが、この鉄道が一般道との交差点を横切っていくところは、非常にかっこいい。このオリジナル版が放送された時点では、「ブラタモリ」でここが映った回は放送されていなかったから、山口智充は大得意。その後東燃ゼネラル石油の川崎工場へ。接岸しているタンカーや、燃料タンクの上に実際に登っていくところ、原油を蒸留する加熱炉の運転、などいろいろ見どころが多い。

なぎら健壱の町工場ツアーは、鶴見線近くの旧浅野セメント社宅、「ハモニカ長屋」から始めて、昔の共同浴場、いまは銭湯の「安善湯」を巡っている。この銭湯、昭和12年建築だというのでたいへんなもの。中は円形のりっぱな浴室があり、富士山のペンキ絵が描かれている。浴槽も円形。調べてみると、ここは安善駅と武蔵白石駅の間にある。絶対行ってみなければ。その後はLPレコード工場へ。そんなものまだ作っていたのか・・・。この工場も味があって非常によい。

後半は主に工場で働く職人の話。職人生活ひとすじのおじさんが離婚して出て行った娘が産んだ孫を可愛がったり、若い新人女子工員が働くネジ工場のようすとか、鶴見の沖縄タウンでのお祭りのようすやそこで暮らしている沖縄出身者の生活も、いろいろ映っていた。さすがにテレビの番組なので朝鮮人街までは出ないね。

最後は閉鎖、解体されるJFE東日本製鉄所第五高炉のようす。工作機械ががしがし取り壊している。なんともいえない場面。解体される高炉の絵を描いているおじさんは、涙を流している。

90分、たっぷりたのしめた。NHKBSが2チャンネル体制になっても、まめにこういう番組を作ってくれるといいな。