醍醐寺

醍醐寺

京都の世界遺産指定の場所で、一カ所、いままで行ったことがなかったところがここ。行って見たら拍子抜けするくらい簡単に行ける。醍醐まで地下鉄が延びてからもう13年にもなるのに、いままで行ったことがなかったというのもまぬけな話だが、どうも伏見区は遠いとかってにおもいこんでいた。烏丸御池の駅から20分くらいで行けてしまうのだから、地下鉄はえらい。

で、肝心の醍醐寺だが、本当によいところ。拝観料が1500円(三つの区域全部に入る場合の値段)というのは、最初ちょっと高いような気もしたが、市内中心部でたくさん塔頭寺院を抱えている大きなお寺で、拝観できるところにみな入ってしまえばそのくらいのお金は必ず取られるのだから、どうということはない。

それよりも、中世に権力を振り回してきたこのお寺のおいしいところを存分に味わえるのだから、けっこう毛だらけなところである。三宝院は庭、霊宝館は仏像仏画、伽藍は建物、とお寺の見どころは全部揃っており、どれも非常にレベルが高い。

三宝院の庭は、勝手に歩けないがその分手入れは完璧。表書院からしか見られなかったが(純浄観はおしくも修理中で、建物を取り囲んで足場が組まれていた)、変化に富んだ姿や石組みは見ていてあきない。紅葉の時期にはむちゃくちゃに人が押し寄せてくると思うが・・・。団体客についていたガイドさんの案内によると冬には池の水は抜いてしまうそうで、見頃はやはり春と秋だということだった。

霊宝館は、ちょうど所蔵している「宋版一切経」の展示をしていた。これはていねいな説明がついていたが、仏教経典や歴史に詳しい人でないとなかなかついていけないだろう。しかし、仏像仏画は豪華。特に仏画の秀作がそろっていて、それが非常によかった。ここはエアコンがききまくっているので、夏冬も快適に見られそう。ちょうど仏像棟も開館されていたので、そちらの仏像も見ることができた。自分としては、千手観音像、不動明王像あたりに、とても感じるものがあった。

伽藍は、やはり京都で一番古い五重塔が大迫力。東寺の五重塔などよりも、ずっとずんぐりしていて、重厚なつくり。自分はきゃしゃな感じの塔よりこういう感じが好き。金堂では、薬師様の前で、おばあさんが熱心に真言をつぶやいていたりして、ここがちゃんと信仰の対象になっていることをあらためて感じた。

もう今年は紅葉の季節にいくひまがないのだが、冬に人が少なくなった頃にまた来ようと思う。