恐怖劇場アンバランス 1話

「恐怖劇場アンバランス」 1話 「木乃伊の恋」、渡辺美佐子、浜村純、大和屋竺ほか出演、鈴木清順監督、フジテレビ、円谷プロ、1973

これも話には聞いていたが、初見。日本映画専門チャンネルでやっていた。なんでも放送してくれて便利便利。しかし一挙放送されると、ハードディスクの空きがなくなって困るのだが・・・。

昔話をまとめる古典学者(浜村)とその女弟子(渡辺)の話の中に挿話として昔話が入っているという構成。現代部分と昔話部分は内容的にはつながりがあるのだが、基本的に別の話なので一見して話の構図がわかりにくい。脚本はもうちょっとなんとかしてほしかったと思う。

役者は、渡辺、浜村もよいが(渡辺美佐子は、年を取ってからの作品しか見ていなかったので、まだ中年になる直前のきれいな姿を見られてよかった)、大和屋竺がとても存在感があって、いい感じ。入定した高僧が墓の中から掘り出されて甦ったものの、あるのは生前の性欲と食欲に対する執着だけ、という設定がよい。大和屋竺の気持ち悪い姿が、この役にはまっている。脚本家としての仕事しか知らなかったが、役者も十分いけている。これは収穫。

最初と最後に出てくる青島幸男の解説は蛇足。この話はコワイ話ではないが、オープニングとエンディングの映像、富田勲の音楽は非常に怖さを演出していていい感じ。2話以降は怖くなるのかなあ。