チャンピオン太 25話

「チャンピオン太」25話 「たくましき前進」、遠藤恵一、力道山ほか出演、土屋啓之助監督、国際放映、1962

プロレスドラマ。最初、タイトルを見て「ちゃんぴおんた」って何?と思っていたが、われながらあさはか。大東太(遠藤恵一)という少年が力道山に入門してプロレスラーになっていくというおはなし。原作は梶原一騎。この最終回しか見ていないのだが、他の回にはアントニオ猪木も出ていたらしい。

話は必殺技が破られておちこむ太が、力道山の薦めで山奥の拳法道場に入門し、修業の末に奥義を教わって、道場をつぶそうとする悪者をやっつけ、力道山の下に戻る、というもの。これを30分ドラマ1回でやるのだから、話はめちゃくちゃはしょってある。

主役の遠藤恵一は、少年というかほんとうの子供で、中学生くらいにしか見えない。これでプロレスの試合に出るのはムリでしょう。最初の試合の場面は、あきらかに大人と子供の戦いになっていて(後半の拳法の試合も同じ)、これで勝つといわれても・・・。

まあ、実質的な主役は力道山みたいなもの。わたしは格闘技を見ないので力道山がえらいといわれても、はっきりいってよくわからないのだが、タイトルバックに映っているのはずっと力道山だし、主題歌に出てくるのも力道山。まあ、子供ファンを力道山に集めるプロモ番組なので、そういうことになっている。しかし力道山には役者の素質はないらしく、演技はまるっきり棒。

田舎の祭りでの相撲大会みたいな拳法の試合といい、赤胴鈴之助みたいな道場とか、ちょっと「空手バカ一代」みたいなストーリーといい、時代劇や興行のテイストが強く感じられ、昔のプロレスはこういうところからの流れもあったのかとちょっとおもしろかった。しかしプロレスファンじゃなければ、これを通しで見るのはちょっとつらい。