彷徨える艦隊3 巡航戦艦カレイジャス

ジャック・キャンベル(月岡小穂訳)『彷徨える艦隊3 巡航戦艦カレイジャス』、ハヤカワ文庫SF、2009

『彷徨える艦隊』の3作目。やっと図書館の予約が回ってきた。この巻でようやく、冒頭にアライアンス艦隊の艦名一覧がつくようになった。戦艦31、偵察戦艦3、巡航戦艦27、重巡航艦37、軽巡航艦62、駆逐艦183だそうだ。これはギアリーが艦隊を引き継いだときの編成なので、ここからどんどん失われた艦が抜けていく。まあ、巡航戦艦以上のクラスでないとろくに艦長の名前は出ないし、ザコ扱いだが・・・。

前回まで、アライアンスはほぼ完勝つづきで、けっこう爽快だった半面、「そんなに調子よく勝ちすぎはおかしいよ。シンディックの指揮官はみな木偶の坊か?」と思っていたが、この巻ではとうとう本物のピンチがやってきた。

前回、サンセレ星系を制圧して補給物資を満タンにしたはずが、また物資は急速に足りなくなってきた。ギアリーはこともあろうにキチガイになったファルコ大佐に助言を求め、次の行き先を決める。次のラコタ星系には予想通り中規模の敵艦隊が。なんとか勝てそうだと踏んで進んでいくと、突如、ハイパーネットゲーとから、大規模な敵艦隊が出現。アライアンス艦隊は圧倒的に優勢な敵から、はさみうち状態になってしまう。さてどう切り抜けるか、という話。

戦闘場面は、はっきりいってよくわかんないところ多し。三次元の艦隊運動を文字で書かれても(図はいっさいなし)、イメージが頭にちゃんと浮かばないのだ。とりわけ、この巻では複雑な運動を行って、優勢な敵艦隊を振り切るということになっているので、よけいにわかりにくい。

それから、前巻でギアリーとデキてしまった、リオーネ副大統領。なにげにちょっとウザかったのだが、こんどはギアリーとの関係が切れてしまった・・・。あれれ。ギアリーとリオーネがラブラブでこの先の話が続くとちょっと辟易していたところだから、これはちょうどよかったかもしれない。リオーネとデシャーニ艦長の女の戦いはあいかわらず。

さらになかなか正体を現さない異星人。今回、彼らはハイパーネットを通行する宇宙船の行き先を勝手に操作できることが判明。突如出現したシンディックの大艦隊も、じつは異星人の差し金だったのだ。これで、アライアンス艦隊がハイパーネットを経由して味方の星系に戻る選択肢は完全になくなった。また、アライアンスとシンディックの戦争そのものも、裏で異星人が糸を引いてはじめさせた疑惑が・・・。

前回の反乱で艦隊内の反ギアリー派は一掃されたかとおもいきや、ぜんぜんそうなってないし、今回はなんとか壊滅的敗北からは逃れたものの、手痛い打撃を受け、これを切り抜けるために、一旦他の星系にジャンプした後、元の星系に戻るために再ジャンプ。この先どうなるの?というところで終わり。あいかわらず、引っ張るなあ・・・。