龍馬伝 第1回

龍馬伝」第1回 「上士と下士」、福山雅治香川照之ほか出演、大友啓史演出、NHK総合、2010.1.3

ここのところ、NHKはこの番組の番宣だらけ。もういいかげんにしてほしいと思っていたが、やっと始まったので、とりあえず第1回は見た。

この回を見た限りでいえば、なかなかよい出来だと思う。脚本は「HERO」「ガリレオ」「海猿」の福田靖なので、ちょっと心配していたが、やはり作劇はうまい。坂本龍馬の志の出発点を身分制度にもってくるのはめずらしくないが、母親(草刈民代)の思い出にうまくからめて、なぜ上士の圧迫にひたすら忍従するのか、なぜ社会変革をめざすのか、という出発点を説得的に描いている。

茫洋とした人格を演じる福山雅治は、つかみどころのない感じで好演。最初の回から、人物像をはっきりさせてしまうのはおもしろくないもんね。それに対して、岩崎弥太郎を演じる香川照之は錐で突くような激しさが出ていて、坂本龍馬と好対照になっている。この構成がはっきりしているので、ドラマ全体を安心して見られる。

乙女役の寺島しのぶをはじめとした他の役者も大根はいない。広末涼子も下手なことはしていない。ちょっと次回以降がたのしみになってきた。とにかく、前作「天地人」のような悲惨なことにならないことを願うばかり。