金閣寺

金閣寺

京都に最初に来た人をどこに案内するか、というと、ちょっと考えるが、やはり金閣寺清水寺、それと三十三間堂、二条城、東寺、銀閣寺のどれか、というあたりだろうか。年末は金閣寺もちょっとはすいているかと思ったら、ぜんぜんそんなことはなく、あいかわらずけっこうな人出である。

特に夕方の4時頃は西日が金閣を照らす時間帯なので、客は大喜びで写真をパチパチ撮りまくっていた。庭園から見て金閣がいちばんきれいに見えるときだし。今日のニュースでは金閣は薄く雪をかぶっていたので、さらに味の違う姿になっていた。庭園の池に照り映える金閣は、誰にとってもわかりやすい美しさ。京都といえばここになるのも当然といえば当然。

不謹慎なことだが、思えば金閣が放火で焼けてしまったことはある意味幸いだったと思う。焼失前の金閣は、特徴のある建築だとはいえ、京都にはたくさんある古い建物のひとつ。国宝指定されていたのだから、今のような姿に修築することはできなかっただろう。焼けてしまったから、金ぴかの姿を再現することができたのだ。何でも古ければいいというものでなし、文化財の保存というのはいろいろと考えなければならないことだと思う。

それはそれとして、金閣寺の商業主義はどんどんひどくなっている。前に行ったときに、境内にこんなにたくさんお店があったか?茶屋とか自販機とか、客のカネをちびちびと吸い上げるものがありすぎ。まあ寺ではなくて、名所のひとつなのだと割り切ればそんなに問題にするには当たらないことなのかもしれないが。しかしお釈迦様はなげいていらっしゃるだろうと思う。