サージャント・グルカ

谷甲州『サージャント・グルカ』、中央公論新社C Novels、2004

ネパールのグルカ兵をネタにした話。第二次大戦時の日本軍との戦闘と、フォークランド紛争時のアルゼンチン軍との戦争が二重写しにされている。

谷甲州の作品としてはちょっとどうか。今まで読んだ作品の中では一番つまらない。グルカ兵の物語を日本人向けに書くのに、グルカ兵士の出身やイギリスとの関係などの背景を書かないのもどうかと思うし、何より話の構成がよくない。グルンの話とラジェンドラの話がうまくかみあっていないし、日本人の片桐は存在自体が要らない。小説として失敗している。

谷甲州の作品でこれまでハズレにあたったことがなかっただけに、ちょっと残念。まあこれからも読むと思うけれど・・・。