戦国ロック はぐれ牙 9話

「戦国ロック はぐれ牙」9話 「般若面の憎しみを断て」

砂金を運ぶ京極(二宮係長こと庄司永建)の馬借隊が、面をつけた野盗の一隊に襲われて全滅。襲ったのは捕らえられて晒し首になったはずの不動丸(ライダー2号こと佐々木剛)らしい。この不動丸がこれまで冴が戦った最強の敵。般若の面をつけている。

京極は兵衛を捕まえて人質にし、冴を雇って不動丸に奪われた軍資金を取り返すように命じる。冴は囮の馬借隊を仕立てて不動丸に罠をかけるが、京極の妾から情報が漏れていて、冴と兵衛は逆に捕らえられてしまう。実は不動丸は京極に滅ぼされた赤松の子で、京極への復讐を狙っていた・・・。

結局最後は、不動丸は斬られ、京極の妾(じつは不動丸の女)は京極と相討ちで共倒れ。左門はあいわからずニヤニヤ笑って去っていき、兵衛はまた冴を口説きかけるが、やっぱりやめたと去っていく。シリーズ一巻の終わりである。

全部見てみると、梶芽衣子は確かにカッコイイ。今の女優でこういうカラーが出せる人はいないだろう。ロングヘアーにパンタロンの奇怪ないでたちで暴れ回るのも問題なし。脇を固める峰岸徹夏木陽介もシブイ。こういう雰囲気は70年代のなんでもありのテレビの有り様がそのまま出ていて好き。

しかし話の出来を見ると9回で途中打ち切りも納得。簡単に言えば、ドライな路線っぽい雰囲気なのに、肝心の冴の行動がちっともドライでない。契約で仕事を引き受けるくせに、契約は破ってばかり、情に流されるばかり。子連れ狼にせよ、木枯らし紋次郎にせよ、本当にドライな時代劇はたくさんあったのだから、このシリーズは中途半端である。梶芽衣子を本当にワルにしてしまうのはためらわれたのだろうか。企画がしっかりしていればもっとおもしろいシリーズになったかもしれないのに、もったいない。