天地人

天地人」、妻夫木聡北村一輝常盤貴子ほか出演、小松江里子脚本、片岡敬司、高橋陽一郎、野田雄介、一木正恵演出、NHK大河ドラマ、2009

やっと終わった・・・、といっても本放送は先週に終わっている。最終回の再放送を録画してやっと見た。といってもこの話、途中でめげていて、とびとびでしか見ていなかったのだ。さすがにこれをコンプリートするのはムリ。12月に総集編をやるそうだが、そちらもとても意欲が湧いてこない。

いくつかいいところがなかったわけではない。音楽はまあよかった。場面もいくつかいいところはあった。役者も北村一輝とか、阿部寛とかはよかった。笹野高史も若い頃の秀吉を演じているのはちょっと変だがまあいいでしょう。

しかし肝心の妻夫木くんがあれでは・・・。あの顔で戦国武将と言われても全然受け入れられない。いくらメイクしても老け役ができていない。見え方もともかく、演技自体がちょっとどうよ。わたしは妻夫木くん自体を買っていないわけではない。「ウォーターボーイズ」とか「ジョゼと虎と魚たち」とか、よかったと思う。とはいえ、このドラマはダメ。箸にも棒にもかからないというのはこのことか。

で、最もよくないのはやはり脚本である。大河ドラマでここ10年ほど頻出する悪い傾向、ホームドラマみたいな戦国時代物語がまた来たのである。「利家とまつ」もひどかったが、こちらもいい勝負。甘ったるいストーリー、奇矯な人物造型(徳川家康)、意味のよくわからないセリフ(「家族」って何よ)の頻出、まったくついていけない。だいたい戦国時代の、それも上杉家の話でこれだけ合戦シーンが少ないのは何?明らかに歴史モノを書くには不適な脚本家である。NHKもこんな大河ドラマばっかり作っていると、ほんとにこの枠終わるよ。

そして不吉な前兆。ドラマ終了後に来年の大河ドラマ龍馬伝」の予告編があったのだが・・・。いや福山雅治がちょっと。わたしは福山雅治は好きですが、予告編だけ見て何か言うのはどうかと思うが、この心配が杞憂であってほしいと心底思う。来年はまじめに大河ドラマを見続けたいと思っているのだ。たのみますよ・・・。