ウルトラセブン誕生30周年記念3部作

「失われた記憶」、「地球より永遠に」、「太陽の背信」、山崎勝之、南条弘二、毒蝮三太夫森次晃嗣ほか出演、神澤信一、高野敏幸監督、バップ、1998

ファミリー劇場」で、深夜から早朝にかけてやっていたので見てしまった。「平成ウルトラセブン」シリーズを見るのはこれがはじめて。いろいろと毀誉褒貶が激しいようだが、シリーズ2作目のこの三本については、それほど悪い評価はないようだ。

出来は、思っていたほどには悪くはなく、かといってそれほどおもしろいわけでもない、という感じ。オリジナル「ウルトラセブン」の凡作よりは、ストーリーの軸はそれなりに工夫されていると思う。「失われた記憶」は、記憶を消して新しい記憶を植え付けるというのはよいアイディア。ダン自身の記憶が失われていることも、よいアクセントになっている。しかしアイディアをストーリーのおもしろさに生かすところまではいってない。「地球より永遠に」は、マンガ版「風の谷のナウシカ」からモチーフをぱくっている。それはいいが、人間改造計画の意味がいまいちツッコミ甘し。「太陽の背信」は、人間のマイナスエネルギーで太陽を燃やすという発想自体がいまいちよくわからない。そんなもので太陽燃えないし・・・。テーマとしてもそんなに深みがあるとは思えない。

ダンとフルハシは、老年にむち打ってそれなりにがんばっていると思うが、ウルトラ警備隊の隊員がいまいち印象薄い。金がそんなにかけられないので、出てくる兵器がウルトラホーク1号とふつうの車に防衛軍のマークを貼っただけなのはしょうがないでしょう。しかしこの作品で1本まる1時間というのはちょっと長すぎる。45分くらいでなんとかできたのでは?オリジナル「ウルトラセブン」での前後編になっている回は、「ウルトラ警備隊西へ」「セブン暗殺計画」「史上最大の侵略」とハズレのない名作ばっかりだったことでよけいにそう思うのかもしれないが、もうちょっとテンポの良い演出にして、中身を詰め込めばもっと見られる話になったかもしれないのに。

オリジナルシリーズのファンにとっては、それでも、ダンとフルハシが健在で、元気で活躍しているということで、ある程度ほっとするところはある。評価の分かれる、この後のシリーズも、時間があれば見てみたいのだが、60分のビデオが6本または5本というのはきついなあ。ちょっとよく考えることにしよう。