太閤記

太閤記」第42話「本能寺」、緒形拳高橋幸治ほか出演、NHK、1965

時専でやっている、「大河ドラマアーカイブス」の録画がだんだんたまってきてHDDの残り容量が圧迫されてきたので、見られるだけ見ちゃえ、ということで、とりあえずこれ。

しかしいくら投書が殺到したからといって、全52話の「太閤記」で本能寺の回が42話というのはめちゃくちゃな話。山崎の合戦から死ぬまでにわずか10話しかないことになる。当初の予定ではこの回は33話か34話あたりに割り当てられるはずだったらしい。それでも、秀吉の事績を考えればかなり遅い方である。投書では「本能寺はなかったことにしてくれ」といってきたそうだが、いっそのこと、実際に本能寺はなかったことにして話が進んでいればおもしろかったのに。そうなったら、もはや「太閤記」ではなくなっているが・・・。

テーマ音楽とタイトルバック(主要な戦国大名の家紋が順番に映る)はなかなかよい。話の中身は、ほぼ高橋幸治が出ずっぱりで、緒形拳は最初の場面と回想シーン、最後の場面しか出てこない。高橋幸治はさすがにかっこよく、信長役として人気第一というのもうなずける。「黄金の日々」に出たときはそれほど印象に残っていなかったのだが、それはしかたないか。

本能寺襲撃の場面は、「三十数人で一万余の明智軍に当たるのでは戦にならぬ」とかいってるわりには、けっこう大勢で斬り合っていて、ちょっと変。火を放ったのも明智軍ということになっているし。ここは「信長 KING OF JIPANGU」での本能寺の演出の方がずっとよくできていると思う。

切腹の場面は音楽なし、小刀を持っている場面のあと、いきなりスモークの中で畳に突っ伏している信長が映る。まあこれはこれでいいか。森蘭丸片岡孝夫だが、若いよ・・・。そうと知って見なければわからない。

明智光秀佐藤慶。これも若いがやはり悪役は若いときから悪役が板に付いている。若い分、ちょっと憎々しさが足りないような気もするが。

緒形拳は思った以上に快活な感じ。秀吉が晩年になってどう変わったかが見たかったのに、そこは残念。「黄金の日々」の時はすでにいい年になって貫禄がついていたから、そういう意味では貴重な映像。