壺屋焼 近代百年のあゆみ

「壺屋焼 近代百年のあゆみ」、那覇市立 壺屋焼物博物館

ここは牧志市場のはずれ、やちむん通りの切れるところにある小さな博物館で、市場ややちむん通りをてくてく歩いていくと、一服するのにちょうどいい場所にある。フロアの面積もごく小さいところだが、あまり広くないほうが疲れなくてよい。

特別展は、壺屋焼が琉球処分の後、たどった歴史の展示。実物もあるが、昔の作品については、あまり残っているものがないので、写真が半分くらい。壺屋焼についてある程度知っている人にはよい展示かもしれない。柳宗悦との関係などについてものべられていて、ギャラリートークや講演会のある日に行っていれば、より多くのことがわかったのに、と残念に思う。

展示品については、「ああこれはいい」と思うのは、3、4点くらいか。まあ歴史の展覧会だから。壺屋焼の素朴な感じの味わいは、普段使いになかなかよくて、自分としては気に入っている。しかし戦後のアメリカ占領下の時期は非常に苦労が多かったようで、アメリカ人向けにいかにもオリエンタルな感じの装飾過多な作品も多く作られていたようだ。歴史の流れに振り回されてきた作家たちのあゆみを知るということで興味深い展示。