花の生涯

「花の生涯」第1話「青柳の糸」、尾上松緑、佐田啓二、淡島千景ほか出演、NHK大河ドラマ、1963

第一回大河ドラマの第1話。はじめて見たが、映像はかなり劣化が激しく、状態は悪い。しかし、ビデオが残っているだけでもありがたいという作品なので、そのへんはあまりうるさく言ってはいけない。

井伊直弼は三十過ぎまで部屋住みだったわけだが、尾上松緑はこのとき50歳くらいなので、年齢としては合わないものの、さすがに大変な迫力。このころの大河ドラマには少年時代に子役をあてるという考えはなかったのだろうが、むしろそのほうがいいかもしれない。佐田啓二は井伊直弼の懐刀、長野主膳役だが、こちらも貫禄十分。この相方が淡島千景なので、名優揃い、画面が華麗。話は井伊直弼が、長野主膳と出会うというだけのものだが、名優が並んでいるとそれだけで絵になるものである。

尾上松緑は「新平家物語」の後白河法皇はなんとなく記憶にあるのだが、ちょっと若いこちらのほうも見られてよかった。次の「赤穂浪士」が楽しみ。