なまいきシャルロット

「なまいきシャルロット」、シャルロット・ゲンズブール、クロチルド・ボードンほか出演、クロード・ミレール監督、フランス、スイス、1985

話だけには聞いていたが、これは佳作。シャルロット・ゲンズブールのデビュー作。13歳という設定になっているが、まさにニンフェット。単にかわいいというのではなく、この年齢にありありの不安定さ、危なさがいっぱいに漂っている。名演というか、役者と役柄がぴったりはまった、これ以外にない組み合わせ。

同い年ですでにコンサート・ピアニストの天才少女クララ役のクロチルド・ボードンが可愛い。クララのマネージャーがいい人だ。むっつりしているシャルロットのお父さん、シャルロットを部屋に連れ込んで押し倒す近所の兄ちゃん、母親代わりの家政婦のおばさん、みなシャルロットをふわっと包み込むような感じで印象的。

しかし個人的に好きなのは、シャルロットにくっついている近所の子ルルを演じているジュリー・グレンである。見た目は可愛くないのだが、精一杯愛らしい。この役をここまでできる子どもがほかにいるだろうか。子役として何本かの映画に出た人のようだが、いまどこでどうしていることか。何もかも夢のような映画。