ロイドの要心無用

ロイドの要心無用」、ハロルド・ロイドミルドレッド・デイヴィスほか出演、サム・テイラーフレッド・ニューメイヤー監督、アメリカ、1923

これもひさしぶりに見た。壁登りの場面以外はさっぱり覚えていなかったのだが、まあ、そこは今見てもどうでもよし。やはり壁登りのところがすごいのである。

上に登っていくにつれてハラハラの度合いが増すのは当然だが、下のほうにいるときでも、これは十分にこわいよ。わたしは2階すらムリでしょう。鳩が群れてくるところとか、どうやって撮っているのかさっぱりわからない。それからいよいよ時計の針にしがみつくところ。ほんとうに見ている方が手に汗握ることに・・・。犬、ロープ、旗竿、時計のバネ、ネズミ、どこから思いついたのか、道具の使い方は最高にうまい。ネズミが服の中にもぐりこんで窓の下のへりでダンスよろしく踊る場面はこわくて見ていられない。あと、屋上で回っている風力計にポカリとやられて、バンジージャンプ状態になる場面。見ている方が死にそうになる。

今なら何をされても、CG上手だね、で片付いてしまうが、やはり昔の大傑作はひと味もふた味も違う。サイレントのコメディでは、これが一番好き。