オバマ大統領就任演説

オバマ大統領就任演説」

録画しておいたものをやっと見られた。テキストは新聞で読んだので知ってはいたが、スピーチそのものを見て、あらためていい演説だったと思う。

内容は、直面する困難の大きさを強調しながら、それを克服するために、アメリカの歴史と伝統を思い起こさせながら、国民の献身と貢献を求めるというもの。対外的には、力そのものよりも同盟と価値観を重視する。派手な希望を掲げるのではなく、困難を率直に認め、それに対する勇気を奮い起こさせようとする。アメリカ大統領の就任演説にふさわしい内容である。

演説の技量もそうだが、こういう演説は日本ではまねができない。国家が国民に対して、献身と犠牲を求めるということ自体が受け入れられない。国家の偉大な伝統を言葉で強調することもむずかしい。国家が価値を訴えられないから、犠牲を求めることもできないのである。まあアメリカとは国の構造や成り立ちが違うのだから、それについてどうこう言ってもしかたない。とはいえ、かっこいい演説というのはやはり聞いていて気持ちがいいのである。反面、あぶない話でもあるのだが。