上野伊三郎+リチ コレクション展

「上野伊三郎+リチ コレクション展 ウィーンから京都へ、建築から工芸へ」、京都国立近代美術館

上野伊三郎は、宮大工の家に生まれ、早稲田の建築学科を出て、ベルリンとウィーンに留学、帰国して建築運動を始め、後に京都市立芸大で教え、工芸に傾いた人。リチは、ウィーン生まれ、工芸学校を出た後上野と結婚して渡日、ウィーンと日本を往復して、工芸分野で仕事をした人。この夫婦の作品展。

上野伊三郎は、建築家としてはあまり作品がなかった人らしく、数枚の図面やスケッチがあるだけ。しかし、その中にスター食堂があって、個人的にとてもなつかしかった。この「スター食堂」は以前は京都のそこかしこにお店があったのだ(今も会社はそのまま続いているが)。ここがやっていたレストランが京都会館の川向こうにあった「ルレ・オカザキ」で、跡地は細見美術館になっている。

リチのほうは、時代的にアール・ヌーボーの影響を受けているが、ほんとはアール・ヌーボー嫌いの自分でもすっと受け入れられる、くどくないデザイン。七宝とか、染織とか、いろんな分野で仕事をしている人である。

そんなに強い印象は受けないが、見ていて気分がすっきりする展覧会。成人式のおかげで、晴れ着の女の子がけっこういた。