絶唱(1975)

絶唱」、三浦友和山口百恵ほか出演、西河克己監督、東宝、1975

山口百恵主演の映画は初めて見た。「絶唱」はこのバージョンしか知らなかったが、調べてみると、映画では三作目、テレビドラマでも五回も制作されているのだ。しかし見てみると、なんでこんな話が繰り返し映画やテレビドラマになるのか、まったくわけがわからない。

大地主の息子が山守の娘に身分違いの恋をして結婚するが、息子は戦争にとられ、その間に娘は病気にかかってしまい、息子が帰ってきたらそのまま死んでしまいました、というおはなし。封建的な社会がどうとか、戦争がどうとかという以外にこれといったネタはなし。ヒネリゼロである。なんでこんな退屈な話が1975年にもなって映画になるのか?

ちょっと見所になるのは山口百恵が木遣り歌を歌う所くらいである。でも山口百恵はもともと歌手なんだからうまくてあたりまえだし・・・。山口百恵は、デビュー2年目、映画主演は3作目なので、完全に子どもというかお嬢様という感じ。貧しい山守の娘といっても、ぜんぜんそういう雰囲気なし。いちおう山陰地方という設定らしく、方言を話しているのだが、標準語混じりなので、田舎娘という設定には無理がありまくりである。貧乏くさい感じもまるっきりないし。公開当時は、百恵、友和ファンはこの内容で満足したのだろうか。とにかくなぞだらけ。