レッドクリフ Part1

レッドクリフ Part1」、トニー・レオン金城武、チャン・フォン・イーほか出演、ジョン・ウー監督、中国、日本、台湾、韓国、2008

ジョン・ウー版「赤壁」。あくまでジョン・ウー版である。最初は長坂波の戦いからなのだが、なぜ関羽がここにいる?張飛が単騎、曹操軍を防ぎ止めるエピソードがないよ。劉備も阿斗を放り投げないし。というわけで、のっけから、えっ?、である。

しかし一番問題なのは江東の人々の扱い。演義通りでは、江東はアホ扱いなのでそれはできないのはわかるけど、周瑜諸葛亮が固い友情で結ばれちゃっては、この後のエピソード(劉備の訪問、十万本の箭を借りる、七星壇を築いて東風を祈る)などを全部書き換えないといけないことになる。事実最初から、劉備は江東の陣地を訪問してがっしと握手してるし・・・。あと、孫権が皇帝の冠をかぶっているのって、どうなのよ。それに中村獅童が「甘興」という名前で出てきているが、おかしくないか?「甘寧」か「甘興覇」じゃないの?

戦闘シーンはジョン・ウーなので、迫力でおしまくっている。CCTV演義のようなやる気のないエキストラはなし。まあそれはいいんだけど、自分にとって演義は別に古代の戦争ものじゃないので、そこにはそんなにひかれない。

それから2時間半近い時間は長すぎる。どうせ後半もあるのに、なぜここまで引っ張るか。エピソードはじゃんじゃん書き換えているのだから(周瑜小喬のラブラブシーンとか、個人的にいらない)、もっとまとめられるんじゃないのか?

かなりヒットしているようなのだが、演義ファンはどう思っているのだろうか。わたし個人としてはこの映画は「なし」である。とりわけ金城武諸葛亮は絶対ない。パート2はなんだかんだで見に行くような気がするけど、なんだかなあ。