ノンちゃん雲に乗る

「ノンちゃん雲に乗る」、鰐淵晴子、原節子、藤田進ほか出演、倉田文人監督、新東宝、1955

本を読んだのは子どもの頃で、ストーリーもほとんど忘れてしまっていた。映画は初見。鰐淵晴子は子役とはとても思えない美しさ(この美しさは「可愛い」というレベルを超えている)で、美人は子どもの頃から美人だったんだなーと納得。歌もうまい。「ノンちゃん、のが付くのんざえもん」の歌は秀作。ほかの挿入歌もみなよくできている。子どもが歌いたくなるような歌ばかり。

おかあさんが原節子、おとうさんが藤田進、美人の母親と優しくてときどき厳しい父親、にいちゃんもかっこよくて頼もしい。絵に描いたような理想のおうちである。とはいえ子どもには子どもなりの小さい悩みはあって、それが子どもの目から見て描かれるところがよい。人間の醜い部分は一切出てこない、昔の牧歌的なおはなしだが、そこがまたいいのである。終わりの子どもバレエも可愛い。