お引越し

「お引越し」、田畑智子中井貴一桜田淳子他出演、相米慎二監督、読売テレビ、1993

離婚寸前の両親と子どもの話。中井貴一桜田淳子は離婚の前段階として別居することになるが、娘の田畑智子はそれを受け入れられない。いろんなエピソードを乗り越えて、田畑智子が幸せな子どもだった自分と別れて新しい人間に成長していくという話。

田畑智子は小学校6年生という設定だが、この時何歳だろう。初主演(初出演?)の映画だが、神様のように上手い。一本調子の子どもっぽい芝居ではなくて、ひとつひとつの芝居にムダがない感じ。

ひとつひとつの場面がきちんと作り込まれているが、桜田淳子が、トイレに閉じこもった田端智子が「なんで生んだん」と叫んだときに、ガラスを突き破って血まみれの手で田畑智子をつかまえるところは、圧倒的。

最後の方の場面、田畑智子は以前の自分の幻影に「おめでとうございます」と叫ぶ。ラストシーンは並木道を元気に歩く中学生姿。痛みを乗り越えて成長する力を強く感じる。