小林研一郎、東京都交響楽団

チャイコフスキー「エフゲニー・オネーギン」より「ポロネーズ」、ラフマニノフピアノ協奏曲第2番チャイコフスキー交響曲第5番
小川典子(ピアノ)、小林研一郎指揮、東京都交響楽団広島国際会議場フェニックスホール、2008.10.23

この演奏はとてもよかった。ラフマニノフの協奏曲は、ゆっくりした出だしから、どんどん盛り上げる。ピアノの小川典子ははじめて聴いたが、上手い。ガンガン鳴らすところは鳴らし、静かなところは絹糸をはじくように静か。小林研一郎もピタリと合わせて、ビシッとまとめている。

チャイコフスキー交響曲はさらによかった。これは名演。このホールがこれだけ鳴ったのを聴いたのははじめて。これもゆっくりとはじめて、テンポもかなり揺らしていたが、それも曲を強引にまげていない。第一楽章からかなり飛ばしているが、その緊張感が最後まで切れずにつづく。途中でへんな音が聞こえるのでなんだろうと思ったら、コバケンのうなり声だった。なんだか命が縮まりそうなすごいうなり声だ。演奏が終わった後は、いちいち各パートの奏者のところに歩いていって握手していた。アンコールの前にも、客に話しかけて礼を言っていた。礼儀正しい人だなー。都響はアンサンブルがきれい。最近聞いてなかったけど、とてもいいオーケストラになっている。

アンコールピースは、ブラームスハンガリー舞曲第一番」。