三国演義 三分帰晋

三国演義」第84集 「三分帰晋」

このシリーズもとうとう最終回。NHKの放送の時は最終回は見ていなかったはずなので、見られてよかった。姜維は剣閣で、成都陥落の報を聞き、諸葛亮の位牌の前で、廖化張翼とともに蜀を守り抜けなかったことを詫びる。しかし早速次の策を考えつき、まず鍾会に降伏。鍾会の心を得て義兄弟の契りを交わす。鄧艾もこれに対抗して蜀の人心を得るために、劉禅を王に封じ、百官の位はもとのままとする。

司馬昭は鄧艾の独断を怒って、対抗させるために鍾会の位を上げる。姜維鍾会をそそのかして、鄧艾の罪を弾劾させ、鄧艾の筆跡を真似て無礼な偽の上書を送らせるので、司馬昭鍾会に鄧艾の逮捕令を出す一方、自らは大軍を率いて、鍾会を牽制するために出陣する。

鍾会は鄧艾を捕らえて洛陽に送るが、司馬昭に疑われているのを知り、叛乱を決意。皇太后の密書を預かっていると称して兵をあげる。服従に消極的な将軍達を殺してしまおうとするが、先手を打たれて殺されてしまう。姜維は策が潰えたのを見て自裁

劉禅は安楽公に封ぜられ、司馬昭に礼を言うために邸に参上。司馬昭は妓女に蜀の踊りを踊らせる。蜀の旧臣はみな落涙しているが、劉禅はニコニコして「蜀のことは忘れました」。司馬昭もあきれて「諸葛亮でもこれではどうしようもない。まして姜維では」と。再び蜀のことを問われて臣下の耳打ち通りのことをしゃべる劉禅に、司馬昭は皮肉を言い、一同大笑い。

司馬昭は死に、司馬炎が後を継いで、曹奐に禅譲を迫り、魏は滅亡。受禅の儀式で物語は終わる。呉の滅亡はナレーションで片付けられる。呉はこれまでほとんど無視されていたから、これもしかたないか。

最後はこれまで流れていたエンディングの歌ではなく、オープニングで流れていたテーマソングの変形バージョンがかかる。背景には長江に夕日が落ちる場面が。全84話の三国演義もこれにて一巻の終わり。全部見ると、改めて感慨深い。できればNHKの吹き替え版で見たかったが、もう再放送はないだろう。木曜日の深夜にBS2で放送していた三国志特集でも、NHK制作の人形劇は使われていたが、この中央電視台制作版はぜんぜんかからなかった。権利が切れているのだろう。また全話流してくれたら、今度こそDVDに落とすのだが・・・。

とはいえ、字幕版もこれはこれでよし。日本語の三国志(とくに北方版はとてもついていけない)や、NHKの人形劇は、よけいな脚色を入れすぎである。この中央電視台版は、省略はあるものの、余計なことを付け加えていないのがよいところ。それに、やはり諸葛亮は唐国強で決まりである。「レッドクリフ」見るのがコワイが、きっと見てしまうだろう・・・。