伝七捕物帳 裏通りの鼠たち

伝七捕物帳」107話 「裏通りの鼠たち」

客演は、沖 雅也/江見俊太郎/雷門ケン坊。沖 雅也も雷門ケン坊もなつかしいなあ。といってもこのドラマに出てくる人は基本的にみななつかしいが、沖 雅也は若くして亡くなったし、雷門ケン坊は子役で引退した人だからなつかしさもひとしおである。

食い詰め者の吹きだまり長屋に巣くう不良たちと、そのヒーローの狐の芳造こと沖 雅也。赤っ鼻や菊乃屋の人たちは不良どもに冷淡だが、伝七は基本的に恵まれない人々に優しいのである。雷門ケン坊が伊勢屋のたばこ入れをかっぱらったことを機会に、伊勢屋を上手にゆすって金をとる沖 雅也。しかし伊勢屋はおさまらず、ヤクザを金で雇って沖 雅也の命を狙う。沖 雅也は闇討ちしてきたヤクザを返り討ちにするが、それで恨みを買って、沖 雅也の女がさらわれてしまう。

今回は伝七が不良どもや伊勢屋、沖 雅也にもよく説教をする。この説教になかなか味がある。またさらわれた女と伊勢屋が交換されるのが寺の境内ということになっているので、捕り物ができない。その代わりにヤクザの親分と雷門ケン坊が差し違えで死んでしまう。最後は、不良どもを教戒するために、沖 雅也を叩きにし、わざと泣きわめかせる。ここの沖 雅也の顔が非常にいいのである。

脚本はやはりこの人、池田一朗。監督松島稔。