伝七捕物帳 鳥追い無情

伝七捕物帳」第105話 「鳥追い無情」

客演は、瑳峨三智子/森 幹太/金近みづ枝。土蔵破りがあり、その手口が20年前の「三味線組」のもの。その関係者の名があげられるが、三味線組の頭の妻だったのが、いまはしがない鳥追い女をしている嵯峨三智子で、という話。鳥追いといわれても、そんな芸がすたれてしまった今は、聞いただけじゃわからない。放送当時はそれで話が通じたのだろうか。瑳峨三智子の実の娘でいまは大店伊勢屋の娘になっているのが、金近みづ枝。嫁入りが近いことになっているが、事情を知った三味線組のもと一味から素性をばらすと脅されている。

瑳峨三智子は男好きのするいい女という設定になっているが、容姿がかなり年配に見えるし(実際はこのころ40歳前後のはず)、台詞回しも滑舌が悪すぎというようなありさま。それを伝七が追い回しているという噂を赤っ鼻が振りまくというのは、ぜんぜん説得力なし。しかし、もうこのころにはこの手の噂に小春姐さんが悋気を起こすことはなくなってきていて、プンスカ怒っているのはお玉ばかり。なんだかねぇ。というか、伝七捕物帳はこの、親子と名乗れぬ情愛というパターンが多すぎる。役者を変えるだけでは、いくらなんでも見ていられない。

脚本吉田義昭、監督田坂勝彦。