三国演義 横槊賦詩

三国演義」第37集 「横槊賦詩」

赤壁戦を目前にして曹操が詩を賦するの巻。最初は大水塞を閲兵する曹操。兵はみな、「江東を倒すぞ」と連呼しているが、さすがの人民解放軍も疲れているのか、声に迫力がないことおびただしい。しかし、曹操陣のセットがただものではないことは、この場面で知れる。やはりこれだけのセットを戦闘シーンで燃やしてしまうのではもったいなさすぎると、中国中央テレビも考えたのだろう。今回はこのセットを視聴者に見せるための回である。

曹操は赤い錦を着ていい感じに酔っぱらい、ご機嫌である。酒と矛を持たせ、三杯の酒を地に濯いで、矛を手にして歌う短歌行。ここは、曹操役の人ではなく、専門の歌手がふきかえている。もちろんちゃんとメロディーがついていて、合唱とオーケストラの伴奏もつく。泉下の曹操もこうして歌ってもらえれば満足、かな?演義でしか読んでもらえない劉備孫権と違って、曹操はちゃんと詩で名が残っているのである。やはり英雄というものはこうでなくては。

酔っぱらった曹操は、短歌行にケチをつけた楽匠を矛で一突きにしてしまう。一気に酔いは醒め、翌日自分で殺した楽匠を惜しむところも曹操らしくていいではないか。

その後の曹操軍の演習だが、連環計でつないだ大船を動かしている部分はミニチュア。そこはちゃちだが、まあまあそれなりに水戦らしく見られるようにはなっている。しかし見れば見るほど長江は広い。ほんとに海と間違えかねない勢い。この広さがなければ大水塞のセットも生きてこない。やっぱり広い国はいいね。