三国演義 苦肉計

三国演義」第35集 「苦肉計」

曹操は蔡中、蔡和を呉の陣中に送り込む。ここは最初にナレーションがあるが、後でちゃんと芝居をしているから、ナレーションはいらない。どうもこのドラマはところどころ脚本がちくはぐである。周瑜はこの降将を利用して、曹操軍に火計を仕掛けようとする。そこで「苦肉計」である。考えてみると、日本語の「苦肉の策」の語源はたぶんこれだが、意味がまるっきり違う。まあよくある訳し間違いだろうが・・・。黄蓋周瑜の頼みで、この苦肉計を受け入れる。黄蓋の役者は老骨だが、なかなかカッコイイ。

ところが肝心の苦肉計をかける場面がお笑いである。台に縛り付けて鞭をくれるはずが、明らかに発泡スチロールみたいな棒で背中をなでているだけである。多少メイクをほどこしたところで、視聴者の目はごまかせない。吹き替えでも特殊効果でもなんでもいいから、ほんとうに肉がちぎれ、血が噴き出す様子がなければ、苦肉計を映像にする意味がないだろう。諸葛亮はこの場面を見ながら薄笑い(もちろん違う意味だけど)。

黄蓋は?羶沢を曹操の陣中に送って帰順を説明させる。ここのやりとりはかなり細かく描かれている。しかしちょっと考えると、曹操はもともと苦肉計が偽計であることを見破っていたのに、蔡中、蔡和の密書くらいでコロコロ信じてしまうのはどうだろう。後は、甘寧、?羶沢が蔡中、蔡和と示し合わせるところでおわり。描写がていねいなのも、ここまでゆっくりしているとだんだん飽きてきた。早く戦争やってほしい・・・。