コーラスライン

コーラスライン」、マイケル・ダグラスほか出演、リチャード・アッテンボロー監督、アメリカ、1975

ミュージカルはいつもはあまり見ないのだが、たまたまスカパーでやっていたので見た。ミュージカルのバックダンサーを選ぶオーディションの話。ある意味楽屋話だが、とにかくめちゃくちゃ厳しい世界の話なので、甘い雰囲気はほとんど見いだせない。強いて言えば演出のマイケル・ダグラスと、その昔の恋人のアリソン・リードのエピソードくらいか。

最初に山のように来た応募者を数分踊らせてどんどん振り落とす。これで16人。それをさらに半分に絞らないといけない。ここからはダンスをやらせるだけでなく、「自分のすべてをさらけ出せ」ということでダンサーに個人的なことをどんどんしゃべらせる。演出家はほとんど神みたいなもので、舞台からはるかに上のブースからマイクで話しかけるだけ。その暗がりからの声に対して、照明があたって前が見えない状態でダンサーはいろんなことを話さなければならない。ある意味懺悔みたいなものか。

ダンスそのものはぴたっと決まっている。ラストでメンバーが決まり、全員で(選ばれた8人だけでなく、数十人いる)群舞を踊る場面は圧巻。しかしダンサーにとってはこれが終わりではなく、さらに本番があり、その先にもえんえんと厳しい道が続いているのである。なんだか見ていて元気づけられると言うよりはうつになりそうな感じ。