めしあがれ! ~アートと食べ物のおいしい関係

「めしあがれ! ~アートと食べ物のおいしい関係」、福岡アジア美術館

こちらも福岡アジア美術館の常設展での特集陳列。食べ物に関係するアートを集めてあり、生活の中の食物、時代と食物、象徴としての食物、食物によるアートの四部門で構成されている。個人的に面白かったのは、大躍進政策時代の中国の宣伝ポスター。もちろんポスターの図案は豊作を描いたものばかりで、背景を知っている者が見ればまるっきりブラックジョークである。
さらにおもしろかったのは、日本のアーティストによる二作品。小沢剛「醤油画資料館」は、醤油で描いた「水墨画」「浮世絵」、に加えて「醤油で絵を描こうとしている絵師の等身大人形」ともっともらしい醤油画の歴史についての解説文つき。藤浩志「お米のカエル墓石となる」は、一ヶ月分の給料をはたいて米1トンを買い込み、食いきれないでいるうちに虫がわいてきたので、しかたがなく米を炊いておにぎりにしてそれでカエルをつくり、それでは保存ができないのでアクリル樹脂の中に封じ込めてオブジェにしました、というもの。このプロセスが本になったものがおいてあり、これがまた笑える。
展示スペースを出たところに、カフェがあり、ちょっとアジアっぽい食べ物や飲み物をおいている。チャイを頼んだらとてもおいしかった。ちょっとした時間をゆるりとすごせる、とてもいい場所。