わが命つきるとも

わが命つきるとも』、ポール・スコフィールド、ウェンディ・ヒラーほか出演、フレッド・ジンネマン監督、イギリス、1966

ヘンリー8世とトマス・モアの関係を描いた史劇。神への信仰と王への忠誠の狭間に立つポール・スコフィールドの演技は圧巻。枢機卿オーソン・ウェルズヘンリー8世ロバート・ショウ、アン・ブリンのヴァネッサ・レッドグレーブらの脇役たちの存在感も揺るぎない。セット、衣装も完璧。この年のアカデミー作品賞、監督賞、主演男優賞などの獲得作品だが、昔のアカデミー賞にはやっぱり権威があったね、と再認識。
最後の部分は法廷劇になっていて、検察官の攻撃に対して堂々と立ち向かうポール・スコフィールドを通じて、王といえども奪い得ない法の権威が象徴的に描かれる。傑作。