もう頬づえはつかない

「もう頬づえはつかない」、桃井かおり奥田瑛二森本レオほか出演、東陽一監督、ATG、1979

もうずっと昔に見た記憶が…。しかしほとんど寝ていたと思う。今回あらためて見て、まあ起きているほどのことはなかったと納得。桃井かおりの「まり子」はかなりのだめんずで、自分勝手な奥田瑛二森本レオの間をいったりきたり。で、妊娠して堕すはめになっている。奥田瑛二森本レオもかなりのダメ人間。三人とも自分勝手で子供っぽい。この点、みな役者は上手い。桃井かおりは鼻声で「かおりはさぁ…」みたいなことをしゃべっていた時期か。この役はまさにハマリ。日本アカデミー賞主演女優賞となってるが、そんなころから日本アカデミー賞ってあったのか。奥田瑛二は円盤戦争バンキッドからそんなに経ってない頃。妙な情けなさというところで共通点あり。森本レオはあの声で女に甘えていて、まさにダメ男。
もう学生運動は残り香くらいしかない70年代末、することのない学生生活というのはこんなもんでしょう。昔の早稲田の様子が映っていてなつかしい感じ。小田急線の多摩川の向こうとおぼしき安アパート(このアパートの光景だけやたらはっきり覚えている)はなにげに哀愁をそそる。