眠狂四郎円月斬り

眠狂四郎円月斬り」、市川雷蔵、東京子ほか出演、安田公義監督、大映、1964

眠狂四郎もの第三作。またまた将軍家斉の庶子(今度は男)が悪事のやりたい放題という話。庶子高之役の成田純一郎、高之のヨメになるはずの大商家の娘、小波役の東京子ほか、役者はほとんど知らない人ばかり。しかし芝居は確か。前作に比べるとあまり明るいところがなく、雰囲気的に一作目に近づいた感じ。小波を襲う時に二太刀で小波を全裸にする狂四郎の殺陣はあなどれない(笑)
タイトルバックに十字架が映っていたので、狂四郎の出生についてなにごとかのエピソードがあるかと思ったら何もなし。前作ではキリシタンの話に狂四郎が異様に興奮したりして、ちょっとした示唆があったのだが。最後の高之との決戦は、橋の上で両側を囲まれて前から後ろからビュンビュン矢を射掛けられ、橋には下から火をつけられてどうにも逃げようがないことになっているのだが、橋が焼けて崩れ落ちた後で何もなかったようにいきなり狂四郎が現れて唖然。まあ狂四郎だからいいけどね。