ソ満国境2号作戦 消えた中隊

「ソ満国境2号作戦 消えた中隊」、辰巳柳太郎、河村憲一郎ほか出演、三村明監督、日活、1955

ソ満国境に駐屯する中隊に新しい中隊長の辰巳柳太郎が赴任してくるが、この中隊長やたら堅物で部隊の規律がなっていないと怒り出し、これまで中隊の指揮をとっていた中尉とはどうもそりがあわない。しかしだんだん中尉の人間味を理解して中隊長の人間も丸くなっていくのだが、司令部の参謀たちは勝手にソ連と開戦することをたくらんでいて、その陰謀騒ぎに巻き込まれ、結局証拠隠滅のために中隊は味方の砲撃で全滅させられる、というお話。
黒澤明菊島隆三脚本ということで、中隊長や中尉のの関係、中年の中尉の人柄なんかはそれなりに細かく描いている。しかしなにしろお話が陰惨。まったく救いがなく、見ていてげんなりする。日本軍のとんでもなさを告発する趣旨の映画なのでそういうふうに納得するしかないのだが、それを考慮してもあんまりおもしろくない。まあ黒澤明もいろんな仕事をしていたんですねという感想。