ボスニアの少年

ボスニアの少年」、アルミル・メハノヴィッチ、エルダー・ズブツェヴィッチ主演、サミル・メハノヴィッチ監督、ボスニア・ヘルツェゴビナ、イギリス、2005

短編。最初にイスラムのお祈りをしている場面が出て、主人公がムスリムだとわかる。主人公は友達と古い砦に宝捜しにいくことになったが、見つけたのは隠してあった銃だった。主人公はそれを友達に向けて引き金をひく。弾は出ないが、「もう友達じゃない」といわれてしまう。しかし友達の家では父親がセルビア派の民兵で、村の「掃除リスト」を持ち帰っていた。主人公に危険を知らせに走る友達。しかし民兵はドアを蹴破って主人公の家に押し入り、遠くに銃声が聞こえるのを友達は震えながらうずくまっている、というような話。
長くしようとすればいくらでもふくらませることができる話だが、短く切ったのは正解。子供の感情の変化とそれを容赦なく押しつぶす大人の事情の対比が鮮やか。こういう映画は説教くさくなると台無し。短い材料でも見るほうには通じるのだ。