犬神家の一族

犬神家の一族」、石坂浩二富司純子主演、市川崑監督、「犬神家の一族」製作委員会、2006

スカパーでやっていたので、ついつい見てしまったのだが・・・。
小説が映画になったり、テレビドラマになったり、また映画でリメイクされたりするのは別に珍しいことじゃないので、それは別にいい。しかし同じ監督がリメイクしているのだ。普通に考えたら、前作に気に入らないところがあるのでよりよいものにするために改作するんだと思うだろう。ところが、カット割り、台詞その他、ほとんど1976年の前作と同じ。テーマ曲まで同じである。キャストも石坂浩二加藤武大滝秀治は同じ役でかぶっている。そして、前作よりよくなっているところが何一つない。前作は傑作だったからしかたないという考えもあるかもしれないが、だったら同じ監督がまた作らなくてもいいんじゃないのか?
とにかく役者の演技が下手。松嶋菜々子奥菜恵深田恭子といった若い女優はみなダメ。だいたい珠世の美しさをひきたてるためには、ほかの若い女が珠世よりキレイだったらダメだろう。一番ダメダメなのは富司純子高峰三枝子にくらべて迫力がないことおびただしい。さらに石坂浩二加藤武まで前作より下手。大滝秀治だけは変わらない。きっと角川春樹はガハハと大笑いしていることだろう。こんなのを見て日曜日の夜をつぶして、腹立たしいことしきり。