フランケンシュタイン対地底怪獣

フランケンシュタイン対地底怪獣(バラゴン)」、高島忠夫、ニック・アダムス主演、本多猪四郎監督、東宝、1965

資料に出てくるのを見ただけで、実物は見ていなかったという一本。しかし、見て感激、というわけにはいかなかった。
とにかく突っ込みどころが多い映画。フランケンシュタインがドイツの潜水艦で戦争末期に日本に運ばれてきたあげく、原爆で吹っ飛ばされて突然変異、というのだが、原爆が落ちてから10年洞窟で人間サイズで生きていたものがなぜいきなり巨大化する?
ドイツの博士は「フランケンシュタインかどうかは、手足を切ってまた生えてくるかどうかで試すしかない」といっている。おいおい。
おまけに切り落とされた手首がずーっとそのまま動いてる。たんぱく質を与えればいつまでも動くのだそうだ。そんなのアリか?
バラゴンが出てきて、決闘になるのだが、バラゴンが吐く火炎のようなものをあびてもやけどひとつしない。ドイツの技術はすごいなあ。
しかし、あくまで改造人間という設定のためか、巨大化してからも、ふつうの人間と同じようにやたら敏捷に動き回る。おかげで大きさ感がゼロで、単に原始人とイノシシが戦っているようにしか見えない。そもそもフランケンシュタインが巨大化して怪獣と戦う、という設定にやっぱりムリが・・・。それじゃただの人間型の怪獣であって、人造人間の奇怪さや恐ろしさが出てこないのよ。
そしてなぜか最後に大タコが登場(前フリまったくなし)。さっきまで山の中で戦っていたんじゃなかったのか?そしてあっというまにいっしょに海に転落してさようなら。いったいなんだったのでしょう。