ニュースで見る昭和「昭和45年~昭和47年」

「ニュースで見る昭和『昭和45年~昭和47年』」、日本映画新社

この時期のニュースは小ネタがほとんどなく、ちょっとがっかり。最初のニュースは田中角栄が幹事長だった時期の一日を追いかけたもので、大物政治家とはいえ幹事長をニュース映画で取り上げたことはほかにないのではないだろうか。もちろん田中が手を回していたかもしれないし、朝日がご機嫌取りに出たのかもしれないが、田中のエネルギッシュな活動と親しみやすさはほかの政治家にはないものだ。いろんな意味でカリスマ政治家だったことを痛感する。
あとは大阪万博。パビリオンよりもとにかく人の数がすごい。入場者数6000万人といっていたが、それも納得。みなほとんど並びに行っているようなもの。愛知万博にはいっていないのだが、人の数はともかくみんなの期待の度合いがぜんぜん違うことを感じる。
あとはよど号ハイジャック事件あさま山荘事件か。あさま山荘事件は記憶にうっすらとあるが、あの緊張感はハイライトシーンだけでは伝わらない。ナレーションは連合赤軍側にはぜんぜん同情なし。まあそれはそうだろう。
これに比べると成田空港反対運動のほうは、やや反対運動側にも同情が感じられるような編集。しかし機動隊が三人死んでいるので、基本的に「過激派」に対する目は厳しい。こうやって日本はだんだんおとなしい国になってきたんだなあという過程をひとつひとつ見ていくのは興味深い。