ニュース映画で見る昭和「昭和39年~41年」

「ニュース映画で見る昭和『昭和39年~41年』」、日本映画新社

ヒストリーチャンネルでやっていた昔のニュース映画を再編集したもの。昭和39年からはじまっているので東京オリンピックの様子が映っている。こういうニュース映画を見ていて思うのは、ライシャワー大使が刺されたとか、そういう大きな時事ニュースより、どこかで小判が見つかって周りの住民が必死で地面を掘り起こしているだとか、バス通勤が車内はすし詰め、ダイヤは渋滞でむちゃくちゃで客が参っているだとか、そういうどうでもよさそうなニュースのほうがおもしろい。時事ニュースのほうは、本で読んで知っているし、何かの機会でニュース映画のワンカットがほかの番組で流れていたりするので、驚くようなことがないのだ。そういうものよりも、どこの人がどういう服を着ているかとか、バスがどこを走っていて、どこの道路がどのくらい混んでいるかとかいったことの方が、昔をじかに感じられるから、値打ちがある。一番びっくりしたのは、天皇の呼び方で、ナレーターが「天皇さま」といっている(もちろん、「天皇陛下」「陛下」という呼び方も使っているが)。昭和40年くらいの時点ですでに天皇は、アナウンサーが「さま」と呼んでも差し支えないくらいのレベルになっていたのである。さて問題はこういう呼び方をいつからしていたかということなのだが・・・。