留学で人生を棒に振る日本人

栄陽子『留学で人生を棒に振る日本人』、扶桑社新書、2007

留学がここまで一般的になる一方で、留学についての基本的な情報をよく知らないままで大学だという触れ込みでコミュニティカレッジに入ってしまったり、大学付属の語学学校で大学編入の見通しもないまま時間をつぶして悲惨な目にあった、というような話がいろいろ出ている。留学をあっせんする業者にも問題があり、顧客に対する説明をごまかしていたり、甘い言葉で釣ったり、ひどいものは業者自身が留学先の事情をよくわかっていなかったりする。
そもそも日本人の留学の多くは単なる「語学留学」で、留学の動機があいまいだから結果もそれなりのものでしかないことが多いという指摘は事実だろう。留学したことをどう生かすのかという見通しなしに行ってもしかたがない。やっぱり英語コンプレックスなのか。