緯度0大作戦

「緯度0大作戦」、ジョゼフ・コットン宝田明主演、本多猪四郎監督、東宝、1969

本多猪四郎監督、円谷英二特技監督伊福部昭音楽という豪華な製作陣で話には聞いていたが見たことはなかったという映画。確かに特撮部分はよくできている。「海底軍艦」「マイティジャック」といった潜水艦ものよりはぜいたくなつくり。しかし肝心のストーリーが…。なんだか「海底大戦争 スティングレイ」に「海底二万哩」あたりの味付けを加えた感じだが、一言でいえば、平板で稚拙。資料を見ると、戦前にアメリカで製作されたラジオドラマが底本になっているということなので、そういうものかという感じ。潜水艦映画としては、製作時点ですでに戦争映画の名作が何本も出揃っているわけでリアリティがないし、SF映画としては新機軸がない。これでは興行的な失敗もしかたないか。ちなみに見たのは、約90分の「国内版」というバージョンらしい。