鍋島

大阪市立東洋陶磁美術館」特別展「鍋島」

九州国立博物館への貸し出し品がよかったのと、数日前の朝日新聞にこの展覧会の評が出ていたので、出かけてきた。

平日だが明日が祝日ということもあってか、かなりの混みよう。内容は質量ともにすばらしい充実ぶり。鍋島の優品が初代藩主直正の時代から幕末の終焉期まで、時代にそって陳列されている。
色絵、染付、青磁とそれぞれにいいが、自分としては鮮やかな色絵が楽しい。特に細かい点描で桃を描いた大皿がとても美しい。初期のものには糸切細工などでの、変型皿が多く、形のおもしろさも楽しめる。

鍋島は藩窯で献上、贈答品しか作らなかったから、作品はほとんど食器限定で壷はほんのわずか(これも献上する梅干を入れるための限定品だったそうだ)、茶器はまったくない。それでもこれほどのバラエティーがあり、いつまで見ていてもあきない。献上品ゆえに失敗が許されないことなど、いろいろ特有の歴史があるので、勉強してから見ればもっとおもしろく見られただろうと思う。